「差別化」とは何か?という話

 

先日、友人であり経営者でもある、まっちゃん(松本くん)と戦略の話をしていて、あとでブログに書くと約束したので書きます。(まっちゃん、読んでね)

差別化とは何だろうか。多くの人は差別化を「競合他社がやっていないことをやること」だと思っている。経営学の用語って多くの場合、定義があいまいなので、これでも間違っていないと思うのだが、僕の定義は異なる。

僕は差別化を「自社も他社もまだ満たしていないユーザーのニーズを満たすこと」だと思っている。

この2つは似たようなことを言っているようだが、実際は見ているところも違うし、やろうとすることも異なる。

競合と違うことをやることが差別化だと思っていると、目はどうしても競合の動きに向いてしまう。そして、競合がやりそうもないような突飛な製品やサービスを考えたりする。違うことをやることが目的化してしまうのだ。この突飛な策は現状のマーケットから離れすぎていて、マーケットに受け入れられるのが難しい。昔、「使い捨てデジカメ」という製品を出した会社があったけど、すぐになくなってしまった。これはマーケットに受け入れられなかった突飛な策の一例と言える。

満たされていないユーザーのニーズを満たすことが差別化だと思っていると、目はユーザーのほうを向く。そうすると、ユーザーが今使っている製品やサービスのすぐ隣にぽっかり空いたニーズがあることに気づく(場合がある)。ユーザーを満足させることが目的化するからである。使い捨てカメラの例で言えば、普通の使い捨てカメラの隣に「使い捨てだったら万一水没してもいいから、水中で使いたい」というニーズがあった。それで水中に持って行ける使い捨てカメラが売れた。使い捨て水中カメラは今でも売られている。

ここで、「でも、そんなものはすぐに競合他社に真似されるではないか」などと思ってはいけない。競合が真似してもしなくても、普通の使い捨てカメラだけを売っていた時よりも、隣で水中使い捨てカメラも売った方が全体の売上は上がるわけだから。しかも値付けさえ間違えなければ、水中カメラのほうが利益率が高くなるのが普通だ。これが「当たり前のことを続ければ事業は必ず成長する」という一例である。

売上を今より5%や10%伸ばしたいと思ったら、突飛な新規事業や新商品を考えようとせず、今売っている製品やサービスの切り口をちょっと変えたり、見せ方を変えたり、それに伴って少し高くしたり安くしたりした新製品やサービスを出してみることをお勧めする。それを途中でやめずに何年も続けていると、気が付いたら元々やっていたビジネスとは全然違うところにいたりする。

この考え方はコモディティ化したと言われているような業界も含めてどの業界でも通用する。アマゾンの点数を見ればわかるけど、世の中には製品やサービスに100%満足している人なんて少数派なわけだから。